山上徹也被告は2022年7月8日の安倍晋三元首相銃撃事件の犯人として拘束されました。
この事件は日本だけではなく、世界に対しも衝撃を与えました。
そんな重大な事件を起こした山上徹也被告の刑量については注目をされています。
今回は、
についてまとめてみます。
山上徹也被告の裁判判決はどうなる?

ここでは、山上徹也被告の裁判判決はどうなるのか、今の段階でわかっている情報をまとめてみます。
山上徹也被告の裁判判決はどうなるのか
安倍晋三元総理を銃撃し殺害した罪などに問われている山上徹也被告(44歳)の裁判は、公判開始を前に、現在も証拠や争点を絞り込む公判前整理手続きが続いています。
9月には、8回目の公判前整理手続きが奈良地方裁判所で行われています。
公判前整理手続きの中で、検察側と弁護側の意見がかなり対立している状況です。
検察側の主な主張と方針は、事件の背景や動機を深掘りすることに消極的で、事件を単純化したい意図がうかがえます
1. 事件の性質:
事件を「単純な個人犯罪なんだ」という形に持っていきたい考えです。
2. 動機への見解:
犯行動機については、「単なる逆恨みだ」という簡単な事件として扱おうとしているようです。
3. 証人尋問の必要性:
検察側は、宗教学者などの尋問は一切必要ないとしています。
検察側は、山上被告の刑事責任能力の有無を調べるため、鑑定留置を行う方針を固めていたこともわかっています。
検察側の主張が正しいと判断されれば、殺人罪になり、刑量としては刑法26章第199条「殺人罪」に問われ、懲役5年以上になります。
弁護側は、事件の事実関係自体は争わない方針ですが、事件の動機や背景を徹底的に掘り下げ、社会的な問題を明らかにしたいという狙いを持っています。
1. 事実関係の争い:
弁護側は、事件の事実関係については争わないとしています。
2. 動機の掘り下げ:
弁護側の最大の狙いは「犯行動機をいかに掘り下げるか」という点です。動機として教団への恨みや憤りがあったとしても、「なぜそれが教団と関係を持っていた政治家へ向いたのか」という点に関して、深く掘り下げたいと考えています。
3. 事件の背景の主張:
弁護側は、この事件の背景には、長年にわたって教団の不法行為が放置されてきたことや、被害救済がなされてこなかったことがあると主張しています。
4. 「宗教虐待」の問題提起:
政治家の問題や、被害救済がなされていないという「宗教虐待」といったところも、裁判でつまびらかにしたい考えです。
5. 情状鑑定の要求と却下:
弁護側は、事件の動機解明のため、「なぜこの人物がこういう事件を起こしたのか」を心理の専門家や研究者に鑑定してもらう情状鑑定を求めていましたが、これは却下されています。
6. 宗教学者の証人としての活用:
情状鑑定が却下されたため、弁護側は宗教学者などを情状証人として呼び、事件の背景や動機を明らかにしたいという狙いを持っています。弁護側は既に、拘置所で宗教学者と特別面会を行ってきました。
検察側は「単なる個人の犯罪である」という本に対する考え方と、弁護側は「犯人の動機の背景に何があったのか」に焦点を当てているところが違うところです。
つまり、「殺人罪」をしたことは両側認めるものとし、その中でも弁護側は情状酌量の余地があるのではないかといった考えで刑量を少しでも軽くしようとしていることが伺えます。
山上徹也被告の裁判判決はどうなるのか宗教的虐待と動機の関係

ここでは山上被告の動機やネット上の意見について軽くまとめてみます。
宗教的虐待と動機の関係
山上被告の犯行動機は「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への強い恨み」と当初から一貫しており、安倍元首相が統一教会と関係が深かったという思い込みで犯行に及んだとのこと。
以下は、山上被告の犯行動機の詳細です。
1. 旧統一教会に対する根本的な憎悪
山上被告が犯行に至る直接的な動機は、母親が多額の献金を行い家庭が破綻したことによる、旧統一教会(家庭連合)への憎悪です。
• 家族の破綻:
山上被告は、母親が宗教団体にのめり込み、多額の寄付をした結果、「家庭生活がめちゃくちゃになった」と供述。
• 家庭の破綻時期:
彼は匿名で利用していたとみられるTwitterアカウントに、「俺が14歳の時家族は破綻を迎えた」と投稿。
• 憎悪の表明:
彼は「俺が憎むのは統一教会だけだ」と強く主張。
• 教団の性質への言及:
彼は、教団の目的について「統一教会の本分は家族から上がりをすべて上納させることだ」と投稿。
• 動機の背景にある困窮:
山上被告が過去に自殺未遂を起こした際にも、「兄・妹の生活が困窮しているので、私の死亡保険金を渡して助けてやりたい」と語っており、家族の経済的な困窮が背景にあったことが示唆。
2. 真のターゲットと当初の計画
山上被告の恨みは、当初、教団そのもの、そして教団のトップに向いていた。
• 韓鶴子総裁への恨み:
山上被告は、旧統一教会の韓鶴子総裁を恨んでいたという趣旨の供述もしています。
• 火炎瓶の用意:
3年前に韓総裁が来日した際、愛知の会場に火炎瓶を持っていったが、中には入れなかったとも供述。
• 爆弾の計画:
犯行に使用したのは手製の銃でしたが、当初は爆弾での事件も計画したと供述。
3. 安倍元総理を狙った理由
憎悪の矛先が安倍元総理に向いたのは、同氏が教団に関わる団体にメッセージを送っていたことがきっかけだったようです。
• メッセージの確認:
山上容疑者は、2021年9月に、恨みがある宗教団体(旧統一教会)が設立したNGOの集会に寄せられた安倍元首相のメッセージを見たと供述。
• 「つながり」の思い込み:
宗教団体と安倍元首相の間につながりがあると思い込み、殺意を募らせるようになったとみられる。
• 政治的な意図の否定:
彼は安倍政権に対する政治的な動機を否定するような発言も残しており、「結果として安倍政権に何があっても俺の知ったことではない」と投稿。
4. 犯行時の心境
犯罪心理学者は、山上被告の行動を分析し、「拡大自殺の一種」であり、捕まることを前提に事件に臨んでいるとみている。
上記の動機を見ると情状酌量も考えられる部分もありそうです。
また、ネット上では「宗教二世」親の信仰で子どもが不利益を受ける構造である「宗教虐待」に対しての問題視や宗教と政治の癒着、近年の司法に対する不信感など様々さ意見があり、事件の判決に対し注目されています。
まとめ
今回は、
についてまとめてみました。
山上徹也被告は2022年7月8日の安倍晋三元首相銃撃事件の件で今もなお、公判前整理手続をしています。
事件の判決においては検察側と弁護側とで意見が対立しており、ネット上でもさまざまな意見が見られました。
初公判は10月28日に開かれる予定であり、検察側・弁護側両サイドの意見がどのように判決に反映されるのか注目していきましょう。