現在放送中のNHK総合ドラマ10「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」で日本で初めてダウン症の俳優として主人公の弟役を演じる吉田葵さんの出演作品や演技力について恩師や演技に対するご本人のを調べてみました。
今回ダウン症がある俳優が連続ドラマのメインキャストを演じるのは、日本では初めてとなり、日本中からも注目されています。
出演作品は?
- 2024年7月:家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だった/草太(NHKドラマ)
- 2024年7月:人気エッセーが実写化!一体どんなドラマなの?家族だから愛したんじゃなくて~(NHK)
- 2024年7月:午後LIVE ニュースーン(NHK)
- 2023年12月22日:PERFECT DAYS /でらちゃん(映画)
- 2023年5月:NHKニュース おはよう日本(NHK)
- 2023年2月:テレ東卓球塾 ~ひとラリー、いっとくぅぅぅ?~(テレビ東京)
- 2023年2月:news every.(日本テレビ)
- 2021年10月:7つの海を楽しもう!世界さまぁ~リゾート(TBS)
演技力は?
プロデューサーの坂部康二さん
————-凄く努力家で負けず嫌い、天性のスター性—————
実は、ダウン症がある俳優を連続ドラマのメインキャストとして起用したのは、日本では今作が初めてということもあり、キャスティングは慎重に考えていたよう。
しかし、原作者の作家・岸田奈美さんの作品である『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の「草太」は「実在するダウン症の弟・良太さん」をモデルに描かれている。「草太」は「岸田さんのエッセーの核をなすキャラクター。この作品で、ダウン症以外の人が演じるのは違う」
と、キャスティングに踏み切ったようです。
原作者にとっては忠実に再現してもらえるのはとても嬉しいこと。
しかしその結果が正解なのかは始まってみないとわからないことだらけだった。
撮影が長丁場となる連続ドラマ。
メインキャスト。
周囲からは「難しいのでは…」という批判的な声が上がる中で、
坂部さんは自身の思いを撮影チームに丁寧に説明し、今回の起用を実現させた。
そんな思いが詰まった「草太」役の葵さんは10人ほどのオーディションの中から選んだようです。
「どの方も魅力的だった」
「ひとりひとりに、それぞれ違う魅力があって。モデルとなった原作の良太さんに寄せなくてもいい。俳優の個性に合わせて、役を調整していこうという方向になった。誰が演じても魅力的な草太になったのでは…というぐらい、本当に凄く悩んだオーディションでした」
とオーディションを振り返った。
悩み抜いた中での葵さんの起用。
その決め手となったのは、
「吉田さんは、凄く努力家で負けず嫌い。周りにいる人はみんな彼を好きになってしまうという、天性のスター性を持ち合わせている」
と魅力を語る。
しかし、どこまで普段通りの撮影ができるのか…。異例の挑戦だけに未知数であり不安が過ぎる中で、葵さんの本来の魅力を引き出してもらうために
「できる体制を整えよう」
と奔走していたようです。
「最初は“どこまで演じてもらえるか”がわからず、セリフも短くしていた」
と不安に思っていた坂部さんの気持ちは撮影が始まると、ほとんど杞憂に終わることとなったようです。
葵さんは制作側の期待を超える演技を見せ、セリフは葵さんの希望で他キャストと同じ関西弁になり。
さらには、
「吉田さんと接して人柄に触れる中で、“吉田さんはこういうしゃべり方をするから、こういうセリフを取り入れてみよう”と、どんどんイメージが膨らんでいった」
と坂部さんの中でも、作品に対するイメージが広がったようです。
「吉田さんご本人の魅力が、ストーリーにも生かされるようになった」
と坂部さんは、葵さんと関わる中で魅力に惹かれていったことを明かしていました。
また「“ダウン症のある人だから”ではなく、彼が俳優として演じてくれたからこそ、作品が成り立ったと思います」と胸を張っていたようです。」
「こどもの城児童合唱団」を主宰する吉村温子さん
—————いつもはハツラツとしているのにドラマでは下を向いていて、役に入りきっている——————–
「こどもの城児童合唱団」を主宰する吉村温子さんは、当時小学3年生から障がいのある子どもたちのクラスである「おんがく大好きミュージックパーク」に所属していた時のことを振り返っていました。
「葵君は、見学に来たときから、物怖じしないで、ほかの団員に交じって踊りだすような子でした。順応性は高かったですね。私が指揮をしていると、歌を歌いながら、まねをして指揮を始めてしまう。いつしか前に出てきて、客席に向かって自分で表現しながら指揮をやってしまうことも。『私がやるより全然いいじゃない』というものがあった。表現する能力は、ダウン症の人のなかでも優れていると思いますね。だから葵君に指揮を頼みました。30年以上合唱団を率いていますが、指揮を任せられたのは葵君だけ。葵君は誰よりも説得力のある指揮をするから、合唱団の子も誰も文句を言いません」
今回ドラマで草太役を演じる葵さんに対し、
「いつもの葵君は、ハツラツとしていて、下を向かないで胸を張っている。それはなかなか大変なことなんですよ。でも、ドラマの葵君は背中を丸めていて……」
と普段とは違う、役に入りきっている姿に、当時からの表現力の高さを感じていたようです。
「平多正於舞踊研究所」代表の平多実千子さん
————–努力や悔しさが先生の指導に力を入れ周りの生徒をも動かす————-
また、葵さんが小学4年生から通い始めたモダンバレエの「平多正於舞踊研究所」代表の平多実千子さんは、当時を振りかえり、
「ダウン症の人は、前かがみの姿勢の子が多いのですが、バレエの基礎として背筋が伸びていることが基本。それは口うるさく指導しました。また、バレエでは股関節や背骨の柔軟性が不可欠。体が硬かった葵君は苦労したはず。でも、レッスンごとに体が柔らかくなってブリッジもできるようになり、脚もどんどん開くように。背筋もピッとなったから、自宅でそうとう練習したのでしょう」
と、葵さんの努力と成長に脅かされたようです。
「葵君の頑張りが目に見えるから、こちらも指導に力が入ります。練習で失敗すると、葵君はすごく悔しがります。『もう一度やる?』と聞くと、ほかの子は『疲れました』と言うことが多いのですが、葵君だけは『やります!』と。彼の努力と根性に刺激されて、ほかの生徒たちが目の色を変えるくらい」
と、諦めない気持ちとできないと悔しいという葵さんの気持ちが先生の指導に力を入れ周りの生徒をも動かしていたようです。
安田龍生さん
————-短期間での成長スピード、僕より俳優としても上に行っているので、僕は追いかける立場———–
同じ俳優である、安田龍生さんはドラマで葵さんのサポートをしながら、
「葵は、あれだけの短期間にすさまじい成長をした。僕は特等席で彼がスーパースターになっていくのを見せてもらったようなもの。今は、葵のほうが俳優としても上に行っているので、僕が追いかける立場。ゆくゆくは葵には主演をやってほしいし、そのときは僕も俳優として共演してみたいです」
と、葵さんの成長を間近に見つめてきて、自分より優れ俳優としても追いかける存在であると明かしています。
演技するにあたってご本人が思っていること
葵さんは番組の公式ブログ『かぞかぞブログ【岸本草太役・吉田葵さん】』(公開:2024年9月17日)にてドラマに対しての演技の心構えを綴っています。
今回は、岸本草太を演じた吉田葵さんによる「かぞかぞブログ」です。連続ドラマの撮影は初挑戦だった吉田さん。いったい、どのように取り組んだのでしょうか
撮影から約1年を経て振り返る当時のこと。岸本家のこと。まっすぐな言葉で伝えてくれました。
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僕は、初めてブログを書きます。
まず、安田氏のブログを読んだら、撮影での思い出がよみがえりました。
4か月間頑張った撮影は、一生の思い出です。
特に頑張ったことを書きます。
まず、カメラを見ないようにしました。
少し見ちゃうときもあったけれど、次はやめました。
カメラの位置を変えて撮るときは、同じ演技を頑張りました。
あと、僕はすぐにかっこつけそうになるので、かっこつけないようにしました。
草太と僕は違うからです。
でも、バス停でひなちゃんに会った時だけ、監督さんが「かっこつけてもいいよ!」と言ってくれたので、かっこつけました。嬉しかったです!
あと、朝早く起きるのを何回も頑張りました。
沖縄の早朝のシーンや、お墓に行ったときは、空が真っ暗でした。
でも全員眠くても頑張っていたので、僕も頑張りました。
セリフは、楽しいのですぐに覚えました。
関西弁が難しかったけれど、音声を何度も聞いて練習をしました。
難しくて言えないときもありました。悔しかったです。
体調を崩さないようにしました。
みんなに迷惑をかけるからです。
加湿器をつけて、ビタミンCを飲みました。そうしたら休まずできて嬉しかったです。
他にもたくさんあります。
現場の人たち全員が、朝早くから夜遅くまでずっと頑張っていたので、僕も俳優として頑張ろうと思いました。
撮影の全部が楽しかったです!!
大九監督さんは、元気でおもしろいし、かわいいです。
真剣な顔でたくさん話してくれました。だから僕も真剣にやりました。
スタッフさんたちは、いつも明るいし、たくさん話してくれて、優しかったです。
寝るシーンで寝られない時は、寝る呪文を言ってくれました。
岸田奈美ちゃんと、ひろ実さんと、良太先輩が現場に来てくれました。
会いたかったのですごく嬉しかったです。すぐ大好きになりました。
七実ちゃんは、いつも一緒にロケ弁を食べて、おしゃべりをしました。
苦手な野菜を食べるとほめてくれて、本当のお姉ちゃんみたいでした。
ママは、いつも優しく「そうた」と言ってくれたのが、安心しました。
沖縄で、いっぱい写真を撮ったり、車の中で歌を歌ってくれました。
パパは、初めて会ったときから超イケメンでした。演技の合図をしてくれたのが優しかったです。一緒にからあげを食べて最高でした。
ばあちゃんは、明るくておもしろいです。いつも一緒におしゃべりをしたり、ストレッチや筋トレをしてくれました。
僕は岸本家のみんなが大好きです♡
だから、クランクアップになったら、急にさみしくなりました。
監督さんが大きな花束をくれて、あくしゅとハグで「お疲れ様」と言ってくれました。
それで安田氏を探して、走って行きました。
そしたら、安田氏が泣いていたので、ハグをしました。
僕は「ドラマやりきったよ」と言ってハグをしました。感動しました。
安田氏は、いつもそばにいてくれました。演技を教えてくれて、たくさんおしゃべりをしました。安田氏ありがとう。ずっと大好きです!
最後に僕が一番好きなシーンを言います。それは、七実ちゃんの合格発表と、遊園地です!
どちらも元気な演技がとても楽しかったです。宝物です。
全部を思い出すと、すごい俳優さん達や監督さんやスタッフさん達に会えて、すごいなと思います。とても嬉しいです。
ドラマに出られてハッピーです!
これからも出たいです。そして、世界中にハッピーをふりまきたいです(^o^)/
かぞかぞの皆さん、ありがとうございました。
忘れません。
吉田葵
※※この文章は、葵さんが書きたいことを考えて口頭で話したものを、母・佐知子さんが書き起こしたものです。表現が難しいときはお手伝いされたそうですが、内容や言い回しや漢字などは、ご本人の意思に沿っているとのことです。
撮影時はカメラを見ないようにして、自然な演技に見えるように心がけ、関西弁も何度も音声を繰り返し聞き、体調も管理して他のキャストやスタッフへ迷惑がかからないように配慮していたと語る葵さん。
その背景には、役を演じることへの並々ならぬ努力と俳優としての心構えが伺えます。
まとめ
いかがでしょうか。
・出演作品
- 2024年7月:家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だった/草太(NHKドラマ)
- 2024年7月:人気エッセーが実写化!一体どんなドラマなの?家族だから愛したんじゃなくて~(NHK)
- 2024年7月:午後LIVE ニュースーン(NHK)
- 2023年12月22日:PERFECT DAYS /でらちゃん(映画)
- 2023年5月:NHKニュース おはよう日本(NHK)
- 2023年2月:テレ東卓球塾 ~ひとラリー、いっとくぅぅぅ?~(テレビ東京)
- 2023年2月:news every.(日本テレビ)
- 2021年10月:7つの海を楽しもう!世界さまぁ~リゾート(TBS)
でした。まだまだ出演している作品は少ないものの今回ドラマで主演を演じるという大役を任された葵さん。
2023年には、役所広司さん主演アカデミー賞映画『PERFECT DAYS 』で、でらちゃんを演じられている。
その時の葵さんは、セリフの暗記や話しながらの演技など、初めてのことだらけだった。
目から入る情報を処理しやすい「視覚優位」の特性があったため、演技方法などは箇条書きにしてもらって頭に入れたよう。
自宅や空き時間も練習し、母親の佐知子さんは「諦めず頑張り続ける姿に、自分だったらできるだろうかと何度も思った」と振り返る。
・演技力は
- プロデューサーの坂部康二さん:凄く努力家で負けず嫌い、天性のスター性、制作側の期待を超える演技を見せ、セリフは葵さんの希望で他キャストと同じ関西弁。
- 「こどもの城児童合唱団」を主宰する吉村温子さん:いつもはハツラツとしているのにドラマでは下を向いていて、役に入りきっている。
- 「平多正於舞踊研究所」代表の平多実千子さん:努力や悔しさが先生の指導に力を入れ周りの生徒をも動かす。
- 安田龍生さん:短期間での成長スピード、僕より俳優としても上に行っているので、僕は追いかける立場。
と、多くの方が葵さんの並々ならぬ努力と演技力の高さに驚かされています。
葵さん自身も演技には俳優として、妥協なく努力してきたことがブログからも読み取れました。
何事にも振り回されずに、一直線に行動する人は誰よりも無敵な存在で、誰もが憧れる存在ではないだろうかと思います。
ダウン症だからどうとか障がいを持っているからどうとかは関係なく、葵さん自身の努力がたくさんの人を惹きつけているのではないでしょうか。
これからも葵さんの活躍を応援していきましょう。