1941年8月1日生まれの今年82歳(2024年現在)を迎えた小野武彦さん。『踊る大捜査線』では 袴田健吾刑事課長役として、神田総一朗署長、秋山晴海副署長と3人揃ってスリーアミーゴスの愛称で親しまれています。
今月9月25日にフジテレビ系で『踊る大捜査線番外編初夏の交通安全』SPが再放送されるにあたり、小野武彦さんの現在の活躍を過去を振り返りながら見てみようと思います。
現在の姿
芸歴58年で初めての映画主演
2023年に公開された『シェアの法則』では芸歴58年で初めての映画主演をされました。
妻に代わり、急きょシェアハウスの管理人を務めることになった堅物夫がさまざまな登場人物と織りなす人間模様、を描く作品。
そんな、妻の代わりにシェアハウスの管理人になる堅物夫を務めることになったのは、当時81歳だった小野武彦さんでした。
小野さんは主演を務めるにあたっては、
「初主演ということで素直にうれしかったですね。といっても、ヒーロー的なキャラクターではないですし、群像劇でもあったので、「俺が主役だ」みたいな気持ちはありませんでした。ただ、テレビ、舞台、ラジオで主役をやらせていただいたことがあったので、「これで全制覇!」という喜びはありましたね。」
と落ち着いた様子ながらも素直に嬉しい気持ちを表してました。
また、他の媒体のテレビ、舞台、ラジオでは主役も務めていたので今回の映画主演で全制覇して嬉しさを表現し、81歳ではありますが、お話の中から茶目っ気が見られていました。
病気でドラマ降板
2016年1月に放送していた深田恭子と朝ドラで人気急上昇したディーン・フジオカのタッグが好評だったドラマ『ダメな私に恋してください』では、9話での突然の番組降板で、心不全という噂も囁かれたが、風邪を少し拗らせて入院しているため降板したことを所属事務所が声明を出しています。
なんにせよ、73歳ということもあり、ファンの間では体調を心配する声が上がっていたようです。
過去には俳優業を辞めようと思ったことも
—————-俳優業を辞めていたら不動産屋。だから、誘ってくれた倉本聰さんは恩人————–
大ヒットシリーズ「踊る大捜査線」のコミカルな警察幹部袴田健吾刑事課長、「科捜研の女」シリーズの主人公の父親など、当たり役は多いが、30代前半の若い頃には仕事に恵まれず、俳優業からの引退を考えたこともあったそうです。
その当時を小野さんは、
「実は、役者を辞めようと思ったことがあったんです。結婚して長女が生まれたあと、1974年ごろかな。簡単に言うと仕事がなくて「これは限界かな」と思った。」
と当時の思い吐露されていた。
「うちでボーッとしているわけにもいかないから、東京郊外の不動産屋に勤めることにして、「じゃあ、来月からいらっしゃい」ってことになったんです。」
と、俳優業をすっぱりやめる決意をし、新しく不動産屋で働くことを決めた小野さん。
「よし新天地でやるか!と部屋で身辺整理をしていたら、電話がリーンとなって。倉本聰さんからだった。「おう、久しぶり。何しているんだ」「いや、ブラブラしています」って。「そうか、ブラブラしているなら、なんか考えるよ」と。」
倉本聰さんはNHK大河ドラマ『勝海舟』や『6羽のかもめ』で仕事を共にしていた脚本家さん。
その数日後、また電話がかかってきて
「ショーケン(萩原健一さん)の板前ものと、哲(渡哲也さん)の刑事ものがあるけど、どっちがやりたい?」
と突然言われたよう。もう役者は廃業しようと次のステップへ踏み出そうと気持ちを切り替えていた時のお誘い。
小野さんは田中絹代さんと演じるのはラストチャンスかな、と思って
「じゃあ、ショーケンさんのほうで」
と返事をしたそう。
しかし、3日後に電話がかかってきて倉本さんに、
「ごめんごめん」
って言われた瞬間、
「どちらもダメだったのか……と思うじゃないですか。そしたら「あのさ、哲のほうじゃダメ?」って。それが『大都会』です。だから倉本さんは恩人です。足を向けて眠れません。」
と当時を振り返り語る、小野さん。
この時の倉本さんの誘いがなければ小野さんの『踊る大捜査線』での名演技も見ることができなかったんだと思うと、自分には思い入れが深い作品なのでなんとも言えない気持ちになります。
俳優を目指したきっかけ
———–俳優業を目指したきっかけは映画への憧れ————–
1942年、東京生まれ。家の近くに映画館や日活の撮影所があるという環境で育った。
「ミーハーな中学生がカッコいい石原裕次郎さんに憧れました。当時は3本立てが多かったから、小津安二郎さんや黒澤明さんの映画も一緒に観ることができた。子どもながらに小津さんの映画には心引かれるものがありましたね。」
「あんなふうに大人になったら会社が終わったあと友達と待ち合わせて、一杯飲んでみたいなあ」
と笠智衆さんを見ながら思っていたようです。
まとめ
いかがだったでしょうか、80歳を超えてもなお活躍し続ける小野武彦さん。
若い頃には仕事に恵まれず俳優業を廃業しようと決意しましたが、倉本聰さんから誘われた仕事を受けたのをきっかけに、どんどん出演が増え、仕事にも幅が生まれたようです。
2023年には俳優をへの道を志すきっかけとなった映画に出演したいという思いを現実に変えました。
いつまでも諦めずに続けていくことができれば、チャンスは訪れるものなんだと身をもって教えてくれているように感じます。
これから先も、ずっとお元気で長くその素晴らしい演技を見せて下さることを期待していきましょう。